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ドイツのコーホート合計特殊出生率は上昇傾向

   

    マックスプランク研究所の人口統計専門家は、ドイツのコーホート合計特殊出生率が再び上昇すると予想している。1970年代に生まれた女性において出生率が再び上昇しており、傾向の転換の兆候が見られるという。

    同研究所は新しい算定方法を用いて37カ国のコーホート合計特殊出生率を調査した。その内の多くの国では期間合計特殊出生率が特に低いとみなされている。しかし、37か国中26カ国ではコーホート合計特殊出生率が再び上昇するか、低下傾向が止まり現状維持するという結果が出た。

    コーホート合計特殊出生率は、同年生まれの女性(コーホート)の出生率を積み上げて算出される。コーホートが(出産可能な年齢の上限と規定される)50歳になるまで最終的な数値が出てこないため、50歳に達していない年代については推定される。

    コーホート合計特殊出生率は一般に使われている期間合計特殊出生率(15歳から49歳までの女性の出生率に基づいて算出される、一人の女性が一生に産む子供の平均数)とは異なり、通常これより高い数値になる。

    連邦統計局によると、ドイツでは2011年の期間合計特殊出生率が1,36だった。

    それに対して、人口統計専門家は、2011年に35歳だった女性のコーホート合計特殊出生率を旧東独で1,54、旧西独で1,57と算定している。

    現在34歳の女性のコーホート合計特殊出生率は約1,6で、上昇傾向にある。1970年代に生まれた女性において傾向の転換が見られる。

    旧東独では、1971年生まれの女性で低下傾向が止まった。1971年生まれの女性が1,51なのに対して、1979年生まれの女性は1,58に上昇すると予想される。旧西独では1968年生まれの女性が1,46で最低水準に達し、1979年生まれの女性は1,57に上昇する。

    研究者が調査した37カ国では、1975年生まれの女性のコーホート合計特殊出生率が平均で1,77と推定される。特に著しい上昇を示したのは英国と米国だった。一般的な傾向に反して低下を続ける国はポルトガル、台湾など少数だった。

2013年3月26日)

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