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多くの女性はフルタイム勤務への復帰を望んでいる

   

    シュレーダー連邦家庭大臣は312日(火)、経済界、労働組合、地方自治体の代表者、専門家を招いて家庭と職業の両立に関する会合を開いた。メルケル連邦首相も出席した。

    メルケル連邦首相は経済界に対して、もっと家庭を考慮するよう求めた。少子化、専門者不足に鑑み、専門者の確保には家庭にやさしい職場の創出がますます重要になってきている。家庭と仕事の両立を改善するためには社会全体が考え方を根本から改める必要があると語った。

    シュレーダー連邦家庭大臣は、企業がフルタイム勤務への復帰を妨げるのであれば、現在法律で規定されているパートタイム勤務の請求権に加えて、フルタイム勤務への復帰の請求権も法制化する考えであることを強調した。フォン・デア・ライエン連邦労働大臣もフルタイム勤務への復帰の法制化を訴えているが、メルケル連邦首相は明確な見解を示していない。

    シュレーダー連邦家庭相によると、パートタイムからフルタイムへの復帰を望む女性が増えている。労働時間を減らしたい父親が増える一方で、労働時間をフルタイムに近い週3035時間に増やしたい母親が増える傾向が顕著であるという。

    最近のアンケート調査結果では、女性は出世の妨げとなる最大要因として育児休業とパートタイム勤務を挙げていることが明らかになった。

    現在、20歳~64歳の年齢層では女性の71%、男性の81%が就業している。この就業率はEU内で最も高いグループに属する。

    但し、女性の半分弱はパートタイム勤務である。これは76%のオランダに次いで高い割合で、EU平均は32%。

    経済界は、仕事と家庭の両立のために十分な努力をしているとして、フルタイム勤務復帰の法制化に反対している。

    しかし、ドイツ経済研究所(IW)の調査結果によると、企業努力がかえって低下していることが明らかになった。企業の80,7%は家庭にやさしい職場を重要視しているが(2009年は79,8%)、フレキシブルな労働時間モデルの普及は顕著に鈍化しているという。2009年はフレキシブルな労働時間(日/週)を提供する企業が70,2%に増えたが、2012年は63,5%だった。年間及び生涯の労働時間では28,3%から20,4%に低下した。

    但し、専門家は、2009年は経済危機のために労働時間短縮を受け入れる企業が多かったことを指摘している。

2013年3月26日)

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