ドイツのニュース

50歳以上の離婚者が急増

   

    離婚はお金がかかる。年齢が高くなればなるほど、経済的負担が大きくなるにもかかわらず、50歳以上の離婚者が急増している。

    連邦統計局の発表によると、2011年は約375000人が離婚したが、その内の9万1700人は50歳以上だった。50歳以上の離婚者の割合は20年前より倍増している。

    2011年に離婚した人の平均年齢は男性が45歳で、女性が42歳である。20年前は男性が39歳、女性が36歳だった。

    熟年離婚増加の要因としては、人口統計上の変遷、平均寿命の上昇、価値観の変化、離婚が社会的に受け入れられるようになってきたこと、就業する女性が増えていることなどが挙げられる。

    また、50歳以上の年齢層ではすでに離婚したことのある人が増えている。統計的に見て、離婚経験者は未経験者よりも(再び)離婚する傾向が見られる。

    社会学的にはこの現象を理解できるとしても、経済的には中高年夫婦の離婚は大きな問題をもたらす。1世帯が2世帯になるため、経済的負担が急激に増える。家財道具や家賃だけでなく、様々な保険の負担が大きくなる。社会学者によると、「中産階級の夫婦が離婚すると、大半が貧しい二世帯になってしまう危険性が高い」という。

    専門家は、「離婚後は可処分所得が約30%減少する」と試算している。「中高年夫婦の離婚がもたらす経済的負担は壊滅的である」という。20代、30代での離婚による経済的損失は十分に取り戻すことができるが、定年退職間近の50代、60代では取り戻すことが極めて難しい。そこで、専門家は、生活水準を維持するために、定年退職を2、3年遅らせることを勧めている。

2013年4月26日)

戻る