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ドイツは病院医療が過剰か?

   

    経済協力開発機構(OECD)の病院医療に関する調査結果によると、ドイツにおける人口当たり病院数、病床数、国内総生産に占める医療費、治療頻度などが継続的に増加しており、OECD平均を大幅に上回っていることが明らかになった。OECDの専門家は、医療制度の構造改革をしなければ、現在の質の高い医療を維持することができなくなると警告している。

    2010年は病院の病床数が人口1000人当たり8,3床で、日本(13,6床)と韓国(8,8床)に次いで多かった。OECD平均は4,9床。

    人口100万人当たり病院数は40で、30カ国中7位だった。

    病院からの退院件数は人口1000人当たり年間240件で、オーストリア(261件)に次いで2位。OECD平均は155件。

    また、病院における手術件数が継続的に増加している。例えば、腰の手術(OECDで1位)、膝の手術(2位)、心臓・血液循環の治療(1位)、冠状動脈バイパス手術(2位)、カテーテル治療(1位)、ガン治療(2位)、胆嚢摘出(2位)など。

    ドイツでは、病院での治療が受けやすく、質も高いが、経営上の理由から高額な手術が多くなっているとOECDは指摘する。病院の予算・財務が他国に比べて十分にコントロールされていない。州がコントロールを怠っているという。

    連邦保健省によると、法定疾病保険の支出の約3分の1は病院部門の支出である(OECD平均は29%)。法定疾病保険における病院医療の支出は2013年に約650億ユーロに増大すると予想されている。病院で治療を受ける病人数も継続的に上昇している。2006年~2011年の期間に年間平均で1,7%増。

2013年4月26日)

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