ドイツのニュース

介護サービスの総合評価には歪みがある

   

    2009年8月から公認介護施設と在宅介護サービスの調査及び評価が導入され、評価結果がインターネット上(www.pflegelotse.de)で公表されている。法定疾病保険連盟(GKV)の医療サービス(MDS)が毎年1回調査し、評価する。(2010年9月17日のニュースを参照)

    この「介護TÜV」は信頼できる介護サービス情報を市民に提供することを目的としている。しかし、実際にはサービスの総合評価と現状に大きな差が見られ、必ずしも正しい評価になっていない。

    これは、項目の重要性に関係なく、どの項目も同じ点数で評価するために総合評価に歪みが生じることに起因している。例えば、重要な項目である「床ずれ予防」や「傷の手当て」、「薬の処方」、「十分な水分補給」、「補助器具」などで「不可(6段階評価中の5)」であっても、「読みやすい献立」などの項目で高い評価を受ければ、総合評価が「秀(1)」になる。

    最新の評価結果では、各州の平均がすべて「秀」である。1位はバーデン・ヴュルテンベルク州の「1,0」で、最下位のラインランド・プファルツ州でも「1,5」。従って、市民は総合評価だけでなく、詳細項目の評価も見てから判断しなければならない。

    疾病保険金庫は、項目の重要性に応じた点数方式を導入すること、問題のなかった施設には毎年の調査は不要であることなどを求めている。

    疾病保険金庫や介護団体は評価システムの見直しを図ってきたが、介護施設の強い抵抗を受けて、歪みの是正が実現していない。

    そこで、介護関係団体が仲裁所で話し合うことになった。バール連邦保健相も早急に「介護TÜV」の改善を図るよう関係者に求めている。

2013年4月26日)

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