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大学生の生活費は約870ユーロ

   

    ドイツ学生相互扶助会(DSW)が3年ごとに発表する「大学生の経済的・社会的状況」調査結果によると、ドイツの大学生は2012年夏学期に平均で月額864ユーロで生活していた。これは3年前より約6%(52ユーロ)多く、過去最高である。

    大学生の90%は親から経済援助を受けている。金額は平均で月額476ユーロ。

    次の収入源はアルバイトで、学生の3分の2弱がアルバイトをしている。平均で週13時間働いており、収入は平均で月額323ユーロ。

    連邦奨学資金法による奨学金(Bafög)を受給している学生は全体の24%で、受給額は平均で425ユーロだった。

    Bafög以外の奨学金を受けている学生は4%にすぎず、ドイツではまだ奨学金制度が定着していないことが明らかになった。

    成績優秀な学生を対象とする国内奨学金制度が2011年に導入されたが、まだ浸透していない。連邦と民間のスポンサー(企業、財団など)が半分ずつ負担し、支給額は月額300ユーロ。昨年は13900人がこの奨学金を受給した。2012/2013年冬学期は大学生全体に占める割合が0,6%弱。連邦政府は今後8~10年で8%にすることを目指している。

    また、学資融資を受けた学生は6%に過ぎなかった。これは、大学の授業料を徴収する州が少なかったことと、授業料自体が低額であったことに起因する。今では授業料を徴収する州がなくなり、ドイツの大学は再び無償化された。

    大卒の親をもつ学生の3分の2は親から経済援助を受けているが、片親だけが職業訓練修了資格を持つ学生の場合は約4分の1であった。両親共に大卒の学生はほとんどが家から経済援助を受けており、金額は平均で約600ユーロ。

    2012年夏学期は大学生の半分が親が大卒でない家庭の出身者だった。10人に6人の学生では少なくとも片親が高校卒業資格を持っていた。親の学歴が低い家庭の出身者は9%にすぎなかった。

    親が大卒でない家庭の子供の23%、親が大卒の家庭の子供の77%が大学に進学した。

    ドイツ学生相互扶助会は、ドイツでは大学進学が依然として社会的に「極めて選別的」であることを指摘している。社会の教育水準が全体的に上昇しても、大卒者が増加しても、ドイツでは未だに出身家庭の教育水準が決定要因になっているという。

    学生のほぼ4人に1人は移民家庭出身者である。その内、親が大卒の家庭の出身者が44%、親が低学歴の家庭出身者が21%だった。

    学生の支出を見ると、家賃が月額約300ユーロで、収入の34%を占めた。家賃の割合が年々上昇している。家賃が特に高いのはケルン、ミュンヘン、ハンブルクで、350ユーロ以上。ケムニッツは211ユーロ、ドレスデン、エアフルト、ハレは250ユーロと、東西格差が見られる。食費は平均で165ユーロだった。

    2012年夏学期は、高校の9年制から8年制への移行による高校卒業生の倍増と兵役義務停止を要因として、学生数が過去最高の約250万人だった。そのうち、子供のいる学生は約10万人。 

2013年7月19日)

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