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連邦通常裁判所、子供の親に対する扶養義務を制限

   

    連邦通常裁判所は8月7日(水)、親に対する扶養義務における子供の権利を強化する判決を下した。

    それによると、扶養義務のある子供は親の介護費用を負担しなければならないが、親の扶養料を定める際の子供の財産の算定では、子供のマイホームは原則として控除される。マイホームは老後の準備と見なされる。「自分が使用する、適切な不動産」は老後の準備の一部であるので、親の扶養のためにこれを子供から要求することはできないとしている。

    介護施設の費用を年金で払えない女性の息子に対して、フュルト市の社会福祉局が扶養料を請求し、息子のマイホームも財産として算定された。このニュルンベルク高等裁判所の判決を不服とする息子が連邦通常裁判所に訴えていたが、連邦通常裁判所はニュルンベルク高等裁判所の判決を破棄して、子供の親に対する扶養義務を制限した。

    連邦通常裁判所は2006年にも子供の負担を軽減する判決を下している。扶養義務のある子供は毎年、名目上の年収の5%を自分の老後のために蓄える権利があるとして、その分を財産の算定から控除した。

    原則的に、月額1600ユーロ(2013年)、自分の子供及び配偶者の扶養費、名目上の年収の5%は親の扶養料のための財産算定で控除される。今回の判決で、さらにマイホームも算定から除外されることになった。

    現在、要介護者の約30%は介護施設に入所している。今後、介護費用がさらに上昇する見通しであるが、その反面、法定年金額は低下する一方である。その結果、年金で介護費用を負担できない要介護者が増え、親の扶養料を払わなければならない子供が増加すると予想される。 

2013年9月12日)

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