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少年局に一時保護される子供が増えている

   

    少年局が子供の安全を確保するために行なう一時保護が増える傾向にある。

    連邦統計局によると、2012年は少年局が子供を一時保護した件数は4万227件だった。これは過去最高である。母親と父親に子育ての荷が重すぎるケースが大半であった。

    ドイツ少年研究所(DJI)によると、一時保護は特に小さな子供には極めて負担が大きく、精神的外傷性障害になる可能性があるため、「絶対的な緊急措置」であり、「危険な手段」でもあるという。しかし、放置、遺棄、暴力、依存性(中毒)などが原因で子供が危険な状態にある場合には、少年局は一時保護しなければならない。

    連邦統計局によると、2007年以降、一時保護件数が継続的に上昇している。2007年は2012年より43%も少なかった。

    3分の2以上の子供たちは一時保護前に両親ないし片親の家で生活していた。暴行と性的虐待は減少しているが、育児放棄が増えている。

    育児放棄の原因としては、カップルの関係や雇用関係が不安定になったために、家庭におけるストレス・レベルが常に上昇していることが挙げられる。例えば、離婚、別離、最低賃金労働。精神疾患も増えている。

    親のストレスは、社会全体が子供の正しい教育に確信が持てなくなっていることに起因しているという。多くの親は大きな期待を満たすことができず、完全に挫折してしまう。危険な状態を見過ごしたという批判を受けないように、少年局は子供を一時保護する傾向にある。

    2012年は1万5700人の未成年者が少年局の介入の後に再び保護者の家に戻った。約1万2800人は相談所ないし施設の援助を受けた。5300人は病院や精神病院に入院しなければならなかった。

    また、出身国へ戻される子供もいた。一人でドイツに不法入国する未成年の避難民が増えており、2012年は2007年の5倍だった。

2013年9月12日)

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