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職場におけるニューロエンハンスメントが増加傾向

   

    ドイツの職場ではニューロエンハンスメントが増加している。本来は病人の治療のための薬物を非治療目的で、能力を強化・改善するために利用する被雇用者が増えている。

    例えば、眠気や疲労を抑制する薬物、認知症に対する薬物、本来は注意欠陥多動性障害の子供の治療に使用されるリタリンなどを飲んでいる。その目的は、より長時間、より効率的に、より生産的に仕事ができるようになることである。

    AOK疾病保険金庫の研究所の調査結果によると、ニューロエンハンスメントはまだ被雇用者の1,5%に過ぎない(被雇用者4000万人に対して約60万人)。しかし、「この新しい依存症は広まりつつある」という。

    回答者の5%は、過去12ヶ月間に、例えば精神科の薬やアンフェタミンなどの薬物を能力向上のために利用したと回答した。30歳未満の人に最も多く、12人に1人が利用していた。

    このような薬物に対する阻止閾が低下しており、将来、薬物乱用・薬物依存症による病気が増えることが懸念される。

    大半のニューロエンハンスメントでは、成人に認可されていない有効成分メチルフェニデート(リタリン)が利用されている。この薬物は職場の同僚の間で、学校の校庭で広まっており、インターネット上で購入されている。

    しかし、被雇用者が最も頻繁に利用する薬物は依然としてアルコールである。回答者の約5%は、1週間毎日アルコールを飲んだと答えている。教育水準が高くなるほど、薬物依存の可能性が高くなる。この傾向に男女の差はない。喫煙者数も依然として多い。

    AOK疾病保険金庫では、2012年は約9万人の被保険者が依存症のために病欠した。その内、アルコール依存症がほぼ44%を占めた。アルコールとタバコの依存症のコストだけでも経済負担は年間約6025000万ユーロに達するという。依存症を理由とする病欠日数は2002年の207万日から2012年は242万日に増加した。

2013年9月12日)

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