ドイツのニュース

ドイツは男女同権に程遠い

   

     男女同権のEU比較では、ドイツは後進国に属する。

    連邦統計局の発表によると、ドイツでは2012年の女性の賃金が男性の賃金より平均で22%少なかった。旧西独では23%、旧東独では8%。男女の賃金格差がドイツよりも大きかったのはエストニアとオーストリアだけだった。EU平均は16%。

    博士論文執筆中の者(ドクトラント)でも同じ傾向が見られる。ラトヴィアでは3人に2人が女性、イタリアでは半分以上が女性であるが、ドイツでは女性の割合が45%である。

    ドイツでは、学校では女性の方が成績が良く、大学進学者でも女性の方が多いにもかかわらず、卒業後の人生では女性は男性に後れをとり、高齢者貧困に陥る人が多い。

    高校生に占める女性の割合は54%、大学生でも50%を超えている。しかし、大学における資格、地位が上昇するにつれて、女性の割合は継続的に低下する。大学教授に占める女性の割合は9ポイント弱上昇したが、依然として女性の教授は5人に1人に過ぎない。

    企業においても首脳部に占める女性の割合は29%で、EU平均(33)を下回っている。フランスは40%。

    ドイツにおける男女の賃金格差の背景には、事務職・サービス業に従事する女性が多いこと(3分の2が女性)、母親の69%はパートタイム勤務をしていること(父親は6%)などの状況がある。

    高齢者では、4人に1人の女性が月900ユーロ以下で生活している。男性では6人に1人。

    シュヴェーズィヒ連邦家庭大臣は、「政治は10年以上も経済界の努力義務に賭けてきたが、その試みは失敗に終わった」と語った。

201410月14日)

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