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教会は従業員のムスリムスカーフ着用を禁止できる

   

    連邦労働裁判所は924()、教会はその施設で働く従業員に対してムスリムのスカーフの着用を禁ずることができるとして、事件を労働高等裁判所に差し戻した。

    プロテスタント教会が運営する病院で働くイスラム教徒の看護婦が職場でムスリムのスカーフを着用することを主張したが、病院側は教会の方針に基づいてキリスト教徒でない従業員も「教会の規則」を守らなければならないとして、これを拒否した。「教会の規則」には、ムスリムのスカーフの禁止が明確に規定されている。

    連邦労働裁判所は、基本法で保護されている教会の自己決定権は看護師の宗教の自由に優先すると判断した。従って、教会は使用者として、その従業員に対して職場におけるムスリムスカーフ着用を禁止することができる。

    今回、連邦労働裁判所は教会の施設におけるムスリムスカーフの着用禁止について初めて決定を下した。

    連邦労働裁判所は民間の使用者における法的状況では異なる判断をしており、2002年に百貨店の店員がムスリムのスカーフを着用することを認める判決を下している。

    学校の教員に対するムスリムスカーフ着用禁止は州ごとに異なっており、全国統一していない。16州のうち8州が禁止している。

    イスラム教徒の団体は、「ドイツにおける同化政策の後退」として、連邦労働裁判所の判決を批判した。

201410月14日)

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