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ドイツの大学、外国人新入生が増加

   

    連邦統計局の発表によると、2013年秋にドイツの大学に入学した外国人学生は初めて10万人の大台を超えた(101009人)。前年比5,8%増。ドイツ人の新入生は1,6%増だった。

    学部別でみると、特に工学部における外国人新入生の増加が顕著で、10%増。ドイツ人の新入生では全体の約20%が工学部を専攻しているが、外国人学生ではほぼ25%だった。

    ドイツでは技術者や専門工が不足しており、人材確保に努めるドイツ工業界は工学部に入学する外国人学生の増加を歓迎している。ドイツの大学における技術者養成の質の高さと高い評価の表れと見ている。また、ドイツ学術交流会(DAAD)や他の機関の活動がポジティブな展開に多大に貢献しているという。

    外国人新入生の出身国別でみると、トルコ人と中国人が最も多く、2012/2013年度冬学期は新入生全体の約10%ずつを占めた。近年に大きく増加しているのはスペイン人とフランス人で、それぞれ新入生の約5%だった。

    ドイツ経済研究所(IW)は、外国人入学者増加の要因として、2012年の「ブルーカード」導入により外国人専門者の移住条件が緩和されたこと、大学授業料廃止に伴い学費が比較的少ないこと、ドイツ経済が好調で、雇用状況が良いことなどを挙げている。

    外国人入学者の割合は、2000年~2009年は変わらなかったが、2010年~2013年に外国人入学者数が約36%増加した。ドイツ人入学者数は16%増。

    同研究所によると、外国人学生のほぼ半分は卒業後ドイツに留まる。ドイツの大学を卒業した後にドイツで就職した外国人は収入も昇進も大卒のドイツ人と変わらない。但し、外国で大学を卒業した外国人の場合は異なるという。

    ドイツの大学を卒業した外国人がドイツで就職することは国にとっても魅力的である。大学生にかかる国庫からの費用が就職後の納税で取り戻せるからである。保育園から大学までの教育費が国庫で賄われているドイツ人に比べて、外国人大学生への投資は国にとっても安上がりである。

    DAADによると、2010年は外国人留学生に人気のある国のランキングでドイツは米国、英国、オーストラリアに次いで4位だった。5位はフランス。ドイツでは26万人の大学生がドイツ以外の国籍であるのに対して、米国ではほぼ70万人、英国では50万人以上だった。

2014年4月10日)

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