ドイツのニュース

移民が増えている

   

    連邦内務大臣は121日(水)、2013年度移民報告書を発表した。これは2013年の移民動向の統計で、2014年は含まれていないが、2014年も同じような傾向が見られるという。但し、2013年から2014年にかけて庇護申請者数が著しく増加した。

    2013年は移入民の方が移出民より428607人多かった。これは1993年以降最も多い。移入民は前年比13%増の1226493人、移出民は12%増の797886人。連邦統計局によると、2014年はさらに約47万人の移入超過になったという。

    連邦内務大臣によると、2013年の移入民、移出民のそれぞれ約4分の3は欧州の市民であった。

    移入民の67,4%はEU28ヵ国の出身者である。移入民を出身国別で見ると、1位がポーランド(15,5%)、次にルーマニア(11,4%)、ブルガリア(5%)、ハンガリー(4,9%)が続く。EU以外ではロシア(2,6%)、トルコ(1,9%)、中国(1,8%)、米国(1,7%)、インド(1,6%)、シリア(1,6%)、その他(21,6%)。ドイツからの移出民の主要移住先もEU諸国で、1位がポーランド、次にルーマニア、ブルガリアが続く。

    トルコからの移入民23230人、トルコへの移出民は27896人で、移出民の方が多かった。

    移入/移出動向を地域別で見ると、EU諸国からドイツへの移入民は75万4800人/ドイツからEU諸国への移出民は47万2100人、EU以外の欧州諸国は移入民16万1400人/移出民13万1000人、アジアは15万4400人/8万5500人、アメリカ・オーストラリア・オセアニアは7万1200人/6万5800人、アフリアは5万3400人/2万3600人。

    欧州諸国からは専門職者、中国からは大学生、シリアからは庇護申請者が多い。ドイツが必要としている専門職者では、EU以外の国からの専門職者が2万3997人で、前年より12%減少した(主因はクロアチアがEU加盟国になったこと)。但し、過去5年間で50%増えている。米国、インド、中国、ボスニア・ヘルツェゴビナからの専門職者が多かった。被雇用者では東欧EU諸国10ヵ国が約9万人増の約44万人、南欧EU諸国が約33000人増の約494000人だった。

    自国で育ち、大学入学資格を取得した外国人の大学入学者数は約86000人、外国人大学生総数は13,5%増の218850人。そのうちの10%以上は中国人学生だった。フランス、スペイン、米国、インド出身の大学生の割合はそれぞれ約5%。

    ドイツに来る庇護申請者の約60%はイスラム教徒である。新規庇護申請者数は2013年の約11万人(前年より約45000人増)から2014年は約173000人に急増した。

    連邦内務大臣は、政治的理由で迫害を受けている人はドイツで庇護権を取得できるが、貧困は庇護の理由にならないことを強調した。また、同大臣は移民法の制定に反対を表明した。現行の滞在法にすべての必要事項が規定されているという。「移民統合は努力の甲斐がある」と語った。

2015127日)

戻る