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介護品質が改善

   

    法定疾病保険連盟(GKV)の医療サービス(MDS)が114日(水)に公表した第4介護品質報告書によると、介護品質が改善していることが明らかになった。

    8年前の調査では多くの欠陥が指摘されていたが、第4回目の報告書で初めて介護の品質に対する賞賛の評価(「介護施設におけるサービスの品質は改善した」)が見られるようになった。

    特に、ベットに縛り付けるなどの自由剥奪的措置を受ける施設住人が減少傾向にあるという。20097月〜201012月の期間の調査結果を基にした第3介護品質報告書(2013年)では、ベット柵やベルトで動く自由を制限される人が20%だったが、今回は12,5%に低下している。床ずれに苦しむ人も少なくなっており、栄養状況も改善した。

    それに対して、紙おむつや尿道カテーテルをする人が顕著に増えていることを調査員は批判的に評価している。

    この介護品質報告書は、医療サービス(MDS)の調査員が年1回、全ての介護施設と在宅介護サービスを抜き打ちに検査して得たコントロール結果をまとめた、ドイツで最大の介護データである。2013年は全国の12000ヶ所以上の介護施設と約11000の在宅介護サービスを調査し、全部で14万6000人の要介護者を身体検査した。

    8年前の調査では3分の1の要介護者が十分に栄養や水分を取れていなかった。この問題は解決されたようで、今回の調査では施設住人の98%が適切な栄養状態にあった。ただし、10,7%の人は食事の際に十分な介助を受けていなかった。

    また、調査員は施設介護の弱点として、痛みのある患者の世話を指摘している。すべての施設住人の35%が慢性的な痛みに苦しんでいるが、そのうちの19,7%では痛みが十分に診察されていなかった。特に認知症の人はその苦痛を言葉で表現できないために、攻撃的な行動しか目立たないことが多く、その原因がわからないままになっている。欠陥は少なくなっているが、さらに改善する余地があるという。新しい「痛みの管理」が要介護者にとって大きな助けになるが、多くの介護施設はまだ十分に対応していない。

    床ずれ予防では、欠陥が2009/2010年より減少している。当時は床ずれのある施設住人が4,4%だったが、今回は3,8%。

    調査員が特に批判的に見ているのは排泄自制能力である。まだ必要でもないのに、紙おむつや尿道カテーテルをする要介護者が多い。紙おむつをしている人は66,2%から76,8%に、尿道カテーテルをしている人は9,1%から10,6%に増加した。医療サービス(MDS)は、要介護者がトイレに行って排泄できるようにもっと介助するよう求めている。

    全体的に施設介護の品質は改善されているが、まだ欠陥があり、さらに改善していかなければならないという。

2015127日)

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